洋画・海外ドラマ
洋画・海外ドラマの効果
英会話の能力、特にリスニングの能力の向上にとって、テープやCDなどの音声教材は欠かせませんし、大変有用なツールと言えます。確かに音声教材だけで効果を上げている人もいますが、又一方で映画や海外ドラマを活用して飛躍的に英会話の能力(特にリスニングの能力)を向上させた人もいるのも事実です。
そこで、一般に映画や海外ドラマ(以下「映画等」と呼ぶことにします。映画も勿論洋画に限定しますが)を見ることの効用を考えてみますと、やはり(画像のない)音声(のみの)教材にはない、視覚を通じた情報の威力が意外に大きいのではないかと考えられます。
視聴覚環境の変化
それにしても、現代の私達は語学教材という点からすると、昔と比較にならない程、視聴覚環境が良くなっており、その点では、昔に比べて非常に恵まれていると思います。
(1)視聴覚教材の入手し易さ
まず第一に、視聴覚教材がどこでも簡単に、しかも安価に入手出来るようになったことが挙げられると思われます。ビデオテープやDVD(以下、「DVD等」と呼ぶことにします。)がかなり安価になったこと、借りる場合には更に安く見ることが出来ることは、一昔前では想像出来ないほど視聴覚教材を入手し易くしてくれました。
(2)英語字幕も活用可能
第二に、最近では字幕も日本語と英語の切り替えが出来る様になった点は、英語学習者にとって非常に大きな福音であると言えるでしょう。
但し、この様に前提条件が良くなったにも拘わらず、成果を上げている人の数は、まだまだ至って少ないことに思いを致すとき、折角の文明の利器を十分使いこなしてない人が多いのではないかと残念に思われます。
映画等の効果の分析
そこでまず、映画等を利用することの効果を、画面を見ることによることと、英語字幕の活用によることとに分けて考えてみます。
(1)画面を見ることによる効果
画面を視聴することそのものの効果として、画面を見ながら英語を聞くことによって、耳で聞くだけの場合に比べて比較にならない程、鮮明にイメージが脳裏に焼き付く為、印象が長期間記憶に保存されやすくなり、特徴的な画面を思い出すことによって、その場面の台詞の中で使われている単語やフレーズ等を芋づる式に容易に思い出すことが出来るということが挙げらると思います。
テープやCD等の音声教材の場合でも、最近は効果音を随所に組み込んであったり、BGM(バックグラウンド・ミュージック)を効果的に取り入れていたりしているもの等もありますが、映画等の場合には音声だけの場合に比べて、視覚に訴えることによる効果が想像する以上に大きく、それらを積極的に活用することによって、リスニング力を飛躍的に向上させている事例もしばしば報告されています。
この様に、視覚に訴えることによる効果が意外なほど顕著なのは、映像が脳にはっきりと刻み込まれ、無意識の領域、即ち潜在意識にまで浸透していく為、画面と音声がしっかりと結び付いて、長期記憶に移行しやすくなるからと考えられます。
又、人間が映像に集中している時には、右脳が活発に働いていることになり、労せずして記憶し易い状態で鑑賞していることになるからと考えられます。
(2)英語字幕を活用することによる効果
映画を日本語吹き替えや日本語字幕なしで聴き取ることは、英語の上級者にとっても難しいこととされており、聴き取れない部分が頻繁に出て来たら、作品を楽しむどころではなくなってしまいます。
これがもし、上級者であれば部分的に聴き取れないところがあっても、その部分を2~3回繰り返して聴くことによって、分かって来るということもあるでしょうが、初中級者にとっては聴き取れないところは何度聴いても分からないということも多いことでしょう。
有名な作品であれば、スクリプト(台詞等を記録した台本)も販売されていたり、スクリプトとDVD等がセットになっているもの等も入手出来たりしますが、今のところ全ての作品という訳には行かない様です。
それに、たとえそれが入手出来たとしても、聴き取れなかった部分に該当するところを探すのも中々大変な作業で、相当根気のある人でない限り、途中で嫌になって止めてしまうということになりがちです。
そこで、英語字幕を表示できるDVD等を用いることが注目に値することになります。即ち、聴き取れなかった部分を、直ぐその場で英語字幕で表示出来るので、スクリプトで該当箇所を探すという大変な作業をしなくて済みます。これによって、リスニングの練習を集中的に効率よく行える様になります。
最近は音声も字幕も日本語と英語いずれにもワンタッチで切り替えるのが普通に出来る様になって来ており、折角世の中便利になって来ているのに、これらを利用しないっていう手はないと思います。大いに活用したいものです。
効果的な活用法
(1)基本的な手順
英語字幕を表示できるDVD等を入手したら、最初は日本語(吹き替え又は字幕)で一回見て内容を把握しておいて、二回目からは英語だけを頼りに、集中して耳を傾ける練習を繰り返しましょう。
聴き取れなかったところも、なるべくなら画面の状況から想像力も働かせたりしながら、なるべく自力で理解する努力をして下さい。そして、どうしても聴き取れない所を英語字幕で確認する訳です。
この方式は英語字幕で確認出来るところが最大の長所ですが、最終的には字幕を見なくても聴き取れる位になるまで、繰り返し繰り返し集中して聴いて頂きたいと思います。
聴き取れていない段階ではすごく難しい、相当高度なことを言っているのではないかと思えたことも、英語字幕を読んでみると、なんだそんな簡単な話だったのかと思われる場面にも度々遭遇されることでしょう。そういうあなたは、字幕無しで映画を楽しめる様になるまであと一歩のところに来ていますので、今の練習をそのまま続けて下さい。ゴールは間近です。
(2)鑑賞する作品
趣味で洋画を楽しむのであれば、好きな作品を次々と鑑賞していくのも良いでしょうが、殊、英語のリスニング力向上の為には、一つのものを繰り返し聴いて、ほぼ完全に理解出来たら次の作品に移るといったやり方の方が効果があります。
無数にある映画等の作品の中で昔の大作も良いのですが、余りに遠い昔の作品の場合には、会話の表現が現代のものとかけ離れていることもあるので、初・中級者の方は、出来れば最近の映画等の中から選んだ方が無難かも知れません。
尤も、上級者の方なら、昔の作品の中で古典的な表現に出合っても、現代の表現との違いを承知の上で鑑賞出来るでしょうから、そういう方は古典的な名作も大いに楽しまれると良いでしょう。
映画等のジャンルは各人の好みで何でも構いませんし、アクション、サスペンス、SF等でも良いのですが、殊、英会話の練習ということに限定して言うなら、日常的な会話に溢れた作品がより一層お勧めです。
そのような観点からするなら、映画も良いのですが、台詞の部分が多い海外ドラマなんかは非常に良い教材になり得ます。海外ドラマはスラング、流行語も含めて、日常生活で今正に普通に使われている表現に満ち溢れているので、口語的表現を習得する為の恰好の教材と言えるでしょう。
なかんずく、近年人気の高いシットコム※等は、笑いながら楽しく鑑賞している内に、日常会話に頻出の表現等が知らず知らずの内に身に付いて来るので最高です。例えば「フレンズ」なんかは、若者達の繰り広げる青春ラブ・コメディーといった感じの楽しいストーリーで、超お勧めです(シリーズ終了後も、DVDがセットで発売され、人気を博しています)。
※シットコム(sitcom)・・・シチュエーション・コメディー(situation comedy)の略。直訳的には「状況喜劇」というもので、登場人物と場面設定との絡みの面白さが特徴で、ギャグやジョークが頻発したり、状況の可笑しさで笑わしてくれたりする連続ホームコメディーと言ったら良いでしょう。日常生活に起こるごく普通の出来事等を扱っていて、日常会話によく使われる表現も満載です。
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